― 発注管理の整理だけで経営が変わった事例 ―
AIを使った自動化。AIを活用して社内でアプリを開発する方法。ローコード開発プラットフォームで社内で作成する。
今や社内の問題を解決するために使える方法やツールは限りなく存在します。
しかし、なぜか社内でやってみたけれど、ベンダーから勧められて導入したけれど、何も変わらない。
そんな企業様が増えているのも事実です。特に建築関係の企業様で「何とかしたい」と考えておられる「原価管理」は、なかなか思うように上手くいかないところが多いものです。
なぜ「原価が見えない状態」になるのか
原価管理が必要だと考えられるところの特徴は、
- 受注は順調
- でも利益が見えない
なぜなら、忙しくて「原価管理ができていない」から。
そもそも受注が順調でなければ、原価なんて気にしていません。受注が順調だからこそ、いくら使って、いくら儲かっているのかに気が向くのが普通です。
あなたのところも同じではありませんか?あなた自身も忙しい。スタッフさんも忙しい。
忙しいから外注費や資材費のことよりも、明日期限の見積書を作る方が最優先。
この状況が続いているから(見積りが多いのは良いことです)、本当は経営に不可欠な「原価」が見えない状態になっています。
実際に起きていた問題
今回は私が実際に改善を行った会社さんの実例をお話していきます。
この会社さん(以下、M工務店)は創業10年を越える工務店さんです。スタッフさんも15名いらして、この業界では、かなりしっかりとした経営をされています。
仕事の方も職人さんばかりなので、お得意先様からも信頼が厚く仕事の依頼も次々入っていました。さらに、個人の方の住宅建築やリフォーム工事、施設の修繕工事なども増えたため、社内の仕事の優先順位が
- 職人としての仕事
- 監理業務
- 相談と見積り
- 外注さんへの依頼
- 資材の発注
大まかにみて、こんな状況になっていました。
仕事が多くてうれしい状況ではあるのですが、いくら儲かっているのか、かなり不透明になっている状態が続き、社長様としては毎月の資金繰りに不安をもったまま仕事を続けておられました。
さらに忙しいからこそ、スタッフさんの行動が
- 発注が属人的になっている
- 人によってやり方が違う
- 現場ごとのコストが分からない
- 見積りと実績がつながっていない
会社全体での総額の売上はわかりますし、支払い額もわかるのですが、現場ごとの
- 発注額が適正なのか
- 本当に利益が出ているのか
- 利益が薄い工事が増えていないのか
わからないことが増えてしまっている面が顕著になってきました。
一般的には、こういう状態になると「原価管理できるツールを入れよう」という動きになります。M工務店さんも、同じように考えてベンダーさんから勧められた原価管理ソフトを導入。
しかし、みなさんおわかりのとおり「超忙しいスタッフさん」が、ゼロからツールの使い方を覚えて入力することはありませんでした。結局はツールを導入する前と同じことが繰り返されただけ。ツールは導入されただけで活躍することがありませんでした。
問題の本質は“システムではなかった”
この問題はツールやシステムの導入では解決しませんでした。
なぜなら問題の本質は「社内の構造」にあるからです。
- なぜ属人的になるのか(これは悪いことなのか、仕方のないことなのか)
- なぜ人によってやり方が違うのか(違ってはいけないのか)
- なぜ現場ごとのコストが分からないのか(受注と発注がつながっていないから)
- なぜ見積りと実績がつながっていないのか(見積りと受注がつながっていないから)
情報は既に揃っていても、それぞれの情報を「つなげる」仕組みが存在していないことが「問題の本質」なのです。
この状況で高価なシステムを導入しても、クラウド対応のツールを導入しても、社内IT担当が内製でアプリを制作しても、どれも同じ「以前と変わらない」結果に行きつきます。
実際に行ったことは「発注管理の整理」だけ
「つながっていない」という本質が見えたことで、とても簡単なことを行いました。
- 見積り → 受注 → 発注をつなぐ
- 発注を必ず管理に通す
何も難しいことをしていません。スタッフさんへの負担も最小限です。
さらに「発注を必ず管理に通す」仕組みにしたことで、経理担当者が外注さんや資材を仕入れているところから届く請求書の内容を、細かく確認できるようになりました。
なぜそれだけで変わったのか
理由は大変シンプルです。
- 管理を通ることで社内の発注が統一された
- 「つなぐ」という一手間を取り入れたことで、現場単位で数字が見えるようになった
- 比較ができるようになった
実際に起きた変化
シンプルなことを実施したことで
- 原価が見えるようになった
- 粗利が把握できるようになった
- 月別の収支が分かるようになった
社長さんも資金繰りに慌てることもなくなりました。例えば、来月の支払いが多くても、受注と発注の関係が見えていれば、再来月の入金がわかりますから安心できます。現場ごとの発注状況が見えていれば、支払の予想もできるので、精神的な余裕も生まれました。
この事例の重要なポイント
システム導入やツールの導入で何かを変えていないということです。
- 新しいソフトは導入していない
- 業務を整理しただけ
だからこそ、こうした「本質を見た方法」は再現性があると言えます。
同じ問題が起きている会社の特徴
- 発注が属人化している
- 見積りと実績がズレる
- 原価が後から(完工後しばらくしてから)しか分からない
もし、あなたのところも同じような状態になっているのなら、まずはシンプルに「問題の本質」を探ってみてください。
こうした問題は、システムやツールの導入で解決することはありません。問題の本質を見つけ、継続して実施できる仕組みを作ることが先決です。
システムの前にやるべきこと
- 業務を分解する
- 判断を整理する
- 流れをつなぐ
これらをやることが大切です。これら無くして問題の本質が改善することはありません。
さいごに
変えるべきはシステム導入やツール導入での対応はなく、問題の本質になっている構造です。
そのためには、作り直す前に整理が必要です。何度も言いますが社内「上手く行かない」問題は、ツールではなく構造にあります。
- どこを変えるべきか
- 何を変えないべきか
- どの順番で進めるべきか
これを整理せずに進めると、同じ問題を繰り返します。
まずは、今の状態を整理するところから始めます。
オンライン相談を行っています。あなたの会社が同じような状態なら、ぜひご相談ください。
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