「社内システムが複雑すぎて、誰も全体像を説明できない」

こうした状態に悩んでいる会社は少なくありません。これまでシステム開発業界で仕事をしてきた40年を振り返り、令和の時代を迎えても、こうした状態に悩んでいる会社は無くなっていません。

例えば、

  • 機能は増え続けている(機能追加の繰り返し)
  • 例外処理が多すぎる(機能追加しても多いまま)
  • 一部の担当者しか分からない(辞めたり休んだりしたら・・・)
  • 変更しようとすると誰も触りたがらない(実はベンダーも触りたがらない)

その結果、改善どころか “触れない存在” になっている。

しかし多くの場合、こうした問題の原因はシステムやツールの古さではありません。本当の原因は、構造が整理されないまま積み重なってきたことにあります。

社内システムが複雑になる本当の理由

機能が多いから複雑なのではありません

よくある誤解は、「機能が多いから複雑なんだ!」という話です。

しかし実際には、機能が多くても整理されていれば問題は起きません(経験から言い切れます)。

直面している複雑さの正体は、

  • 判断の流れが見えない
  • 例外がルール化されていない
  • 責任の範囲が曖昧

といった業務構造の混乱なんです。

例外対応の積み重ねが構造を壊す

社内のシステムは、たいてい善意で拡張されます。

  • 「この部署にも必要」
  • 「この取引先だけ特別対応」
  • 「このケースは手作業で」

一つ一つは合理的です。しかしその積み重ねが、シンプルに上手く動いていた構造を壊していきます。

そして気づいたときには、

  • どこを変えると何が影響するのか分からない
  • データの整合性が取れない
  • 二重入力が発生している

という状態になります。

誰も全体像を説明できなくなったとき、危険信号が出ている

もし今、「このシステムの全体構造を説明できますか?」と私が御社に質問したとき、即答できる人がいないなら、危険信号が点滅している段階です。

昔からあることですが、複雑化は、見えなくなった瞬間に加速します。

最後には、御社の担当者だけではなく、システム導入しているベンダーですら全体構造を説明できない状態になります。

社内システム改善でやってはいけないこと

いきなり新システムへ刷新する

複雑だから作り直す。気持ちは大変よくわかります。

しかし、一見正しそうな考えですが、構造が整理されないまま入れ替えると「同じ複雑さが再現」されます。

「新しくしたのに使いにくくなった」「新しくしたのに前と変わらない」

こういう話、別の会社さんで聞くことがあると思います。整理せずに入れ替えてしまった結果です。

ベンダーに設計を丸投げする

ベンダーはシステムやツールを作って提供する専門家です。

しかし、御社の業務に精通した専門家ではありません。

  • 業務の本質
  • 例外の意味
  • 組織特有の判断

御社でないとわからないことは把握できていません。

設計を丸投げすると、ベンダーが得意とするシステムやツールに合わせた構造になります。

※自社の構造や流れを全部リセットして、ベンダーが得意とするシステムやツールに合わせるというのなら、ベンダーへ丸投げしても問題ありません。海外の会社では、こういう考え方で進めているところも実際にあります。

「現場が慣れれば解決する」と考える

定着しない原因を “慣れ” にすると、本質的な問題は残ります。

問題は操作性ではなく、設計思想のズレだからです。

社内システムを立て直す正しい改善方法【3ステップ】

Step1:全体像を可視化する

まずやるべきは、システムやツールを触ること、入れ替えることではありません。

  • 業務の流れを書き出す
  • どこで判断が発生しているか整理する
  • 例外を洗い出す

これだけで、構造の歪みが見えてきます。「見える化」と呼ばれる部分です。

Step2:複雑さの原因を分類する

複雑さは主に3種類に分類できます。

  1. 機能過多
  2. 例外過多
  3. 属人化

原因を分類できれば、対処方法は自ずと絞れます。

Step3:小さく分離し、判断できる構造に戻す

重要なのは、一気に何かをしないこと。

まずは、

  • 不要な例外を削る
  • 重複機能を整理する
  • 判断基準を明確にする(誰が見ても理解できる状態)

「説明できる単位」まで分解します。

改善とは、足すことではなく削ることから始まります。

こんな状態になっていませんか?

  • 全体構造を説明できる人がいない
  • 改修のたびに想定外が起きる
  • システムを触ること自体が怖い
  • 何を残して何を変えるか決められない

もし3つ以上当てはまるなら、問題はシステムではなく「構造設計」にあると言えます。

改善のゴールは“最新化”ではなく“説明できる状態”

多くの会社が誤解しています。多くの会社が改善のゴールとするのは、

  • 最新システム(最新という響きは気分がよい)
  • 高機能化(すごくよくなる気がする)
  • 完全自動化(時代の流れに乗っている)

でも実際は、こういうのがゴールではありません。

本当のゴールは、

誰が見ても構造を説明できる状態

ここに戻せなければ、再び複雑化します。

さいごに

社内システムが複雑になる理由は、技術の問題ではなく判断と構造の未整理です。

そして、改善方法の第一歩は「作り直すことではなく、構造を可視化すること」です。

もし今、

  • 触れないシステムになっている
  • どこから手を付けるべきか分からない
  • 作り直すべきか迷っている

なら、まずは全体像の整理から始めるべきです。

システムは変えられます。しかし構造を整理しなければ、何度でも同じ状態に戻ります。

作り直す前に、構造を整理しませんか?

多くの会社が、

  • システムやツールを入れ替える
  • ベンダーを変える
  • 追加開発をする

という選択をします。しかし本当に必要なのは、

「何を変え、何を変えないか」を決めることです。

私は、これまで40年の現場経験と技術を使って、ブラックボックス化した業務構造を紐解き、

  • 触っていい部分
  • 触ってはいけない部分
  • 本当に変えるべき部分

を整理する支援を行っています。

いきなりシステムを触ることはありません。ツールを入れ替える提案をすることもありません。

まずは、今の構造を一緒に可視化するところから始めます。

「無料相談(30分)」はこちらから

本気で立て直したい経営者・責任者の方へ

  • 作り直す前に整理したい
  • ベンダーが入る前に判断軸を作りたい
  • 再構築を失敗したくない

このような方限定で、「構造整理セッション」を実施しています。

※現場改善のみのご相談はお受けしていません。