中小企業様がシステム導入を検討する場合、目的となるのが「業務改善」です。しかし、業務改善というのは、これまでの担当者の裁量や取引先との古い慣習などによって複雑なプロセスになっているため「簡単ではない」ケースが多いという事実があります。
また、こうした複雑なプロセスを無視して(または知らないまま)ベンダーの提案内容だけでシステム導入を進めてしまうと、導入後に現場から
- こんなの使えない!(めちゃくちゃ多い社内クレーム)
- 前のやり方が簡単なので戻したい!(これも多い)
- これは私の仕事じゃない!(心の叫び)
などなど、あちこちから不満が出てきます。で、こうならないために、次の5つのステップをきちんと行ってもらいたいという話です。
ステップ1:現状分析
現状分析とは、自社の課題を把握するために欠かせません。
- 手作業が問題になっている
- 重複作業が問題になっている
- 非効率な承認ルートが問題なっている
企業様や現場内で問題になっている(課題になっている)ことを洗い出します。
ただ、現状分析をするときに「隠す」人や部署があります。これは自分達を守るための行動です。しかし、見逃してはいけません。隠している部分があると、社内での
- 物流(モノの流れ)
- 商流(お金の流れ)
どちらか(または両方)のつじつまが合わないためです。必ず「モノの流れ」と「お金の流れ」の両方で整合性があるのか分析しましょう。
ステップ2:目標設定
現状分析から出てきた課題の中で、どの課題にフォーカスして改善するのかを決めます。
中小企業様の場合、主に次の2つの視点から考えることになります。
- 効率化を優先
- コスト削減を優先
どちらでもない場合は、急いで何とかする部分ではないということです。
ステップ3:改善策の検討
これも中小企業様の場合、2つの方法があります。
- 業務プロセスの見直し
- IT化(ITツールの導入)
経験から言いますと、まずは「業務プロセスの見直し」をしましょう。見直した後に、IT化を検討するのが失敗しにくいです。
ステップ4:実行計画の作成と実行
目標設定と改善策の検討内容から、さらに絞り込んで「改善の優先順位」をつけます。
できるだけ小さな部分から改善していくのが有効です。絞り込めれば、行動を起こすための計画(スケジュール)を作成します。
また、最終的に効果を測定しますので、「何がどうなっているとOKなのか」を定義しておきましょう。
定義できたら計画に沿って実行します。
ステップ5:効果測定
実行した結果を測定して評価します。
上手くいったこと、そうでないことが見えてきます。
思っていたほど結果が出なかった場合は、再度改善策を検討します。
さいごに
何となく進めると、反発だけが残って効果が出ません。また、ベンダーの提案だけで進めると実業務に支障が出ることが多いです。
自分達でやる場合、ベンダーさんと一緒にやる場合、外部の専門家とやる場合。どのケースであっても「自分の会社」に関することは自分達が一番知っている状態にならないといけません。
「面倒なので丸投げしたい」という気持ちもわかりますが、どのステップでも「会社の人が参加している」ようにするのが成功のポイントです。
会社のことは会社の人しかわかりません。究極的には社長でないとわかりません。ということは、中小企業様がシステム導入をする場合「社長」または「社長と同程度の権限と業務内容の理解」を有している人が参加する必要があるということです。
