本を出すとなると悩ましいのが「出し方」です。一般的には「自費出版」「商業出版」の2つがメジャーです。最近だと「個人出版」というのもあります。

自費出版と商業出版の違い

出版費用

大きく違うのは費用負担の部分です。自費出版は著者が全額負担します。一部だけ負担というのもありますが、9割以上は全額負担です。

商業出版の費用負担は、基本的には出版社が全額負担します。編集からデザイン、校閲や製本、流通に乗せる、プロモーションをするとかも出版社が全額負担します。

出しやすさ

自費出版は、お金を出せば誰でも出版できます。非常に簡単です。

商業出版は、出版社の編集者や営業、編集長などに書籍の企画を提案して、企画が編集会議で通過しないと出版できません。非常にハードルが高いと言えます。

書きやすさ

自費出版は著者が自由に書いて良いです。好きに書けます。誰かに修正や加筆を依頼されることはありません。自分が納得できれば良いです。

商業出版は、「売れる」必要がありますので、出版社の編集担当から修正や加筆の依頼があります。自費出版と比べると、「100%自分の書きたいようにできる」ということはありません。

流通と販売

自費出版は、基本的には流通に乗りません。「乗せます!」というところもありますが、乗せる数と置ける書店の数が圧倒的に違います。ですので、基本的には「書店には並ばない」と考えてください。

商業出版は全国規模で流通します。全国の書店やネット、エキナカの本コーナーにも並びます。

私は運よく、東京駅のエキナカブックスタンドに平置きしてもらえました。

印税と収益

自費出版は、売れれば売れた分だけ自分の利益です。売れなければ「ゼロ」です。というか、出版に関する費用負担がありますので「マイナス」です。

商業出版は、書籍の販売価格に対して3%~10%程度の印税が支払われます。ということで、もし初版で終わったとしても「ゼロ」にはなりません。

目的

自費出版の目的は「自分のため」です。自己表現や記念、ブランディングですね。

商業出版の目的は「利益を出すこと」。売れることです。誰でも「ベストセラー」「ロングセラー」を狙っています。当然ですが出版社も狙っています。

個人出版

最近では、アマゾンKindle向けのような「電子書籍」という方法があります。これは先の2つで言うと「自費出版」に入りますが、これまでの自費出版とは大きく違うところがあります。

それは「印刷しなくて良い」「在庫を持たなくて良い」「全世界に流通できる」点です。

さらに、自費出版会社との契約や打ち合わせの必要もなく、誰でも今すぐ始められます。

出版詐欺

出版に関わっていない方にとっては、身近な話ではないと思いますが、これから出版したいなら覚えておきましょう。

この世界にも「詐欺」があります。それも20年以上前からあります。ただ、出版したい人間の母数が少ないことと、詐欺として訴えにくい背景がありますので、あまり大きくは取り上げられていないだけです。

で、出版詐欺とはどういうものかというと、

自尊心をくすぐる勧誘

もっとも多いのは、「あなたの作品が素晴らしいので、ぜひ出版しませんか?」と、自尊心をくすぐる勧誘から始まるパターンです。

商業出版の会社から、出版実績がない人へアプローチがあることは稀です。

「共同出版」というの罠

「本来は出版に300万円かかりますが、あなたは才能があるから150万円は出版社が持ちます。残りの150万円だけ負担してください」と持ちかけられます。

しかし、実際にはその150万円だけで制作費と利益が賄われており、出版社側は一切リスクを負っていないことがよくあります。

「書店に並ぶ」という嘘

「全国の書店に配本されます」と言いながら、実際にはネット書店の注文受付のみだったり。書店の片隅に数日置かれるだけだったり。

自費出版では、買い取り(棚の確保)をしない限り、一般の書店に平積みされることはまずありません。

過剰な「在庫買い取り」契約

初版を大量に刷らせ、売れ残った分を著者に定価で買い取らせる契約です。「増刷しましょう」とそそのかし、さらに在庫を抱え込ませるケースもあります。

編集・宣伝の不在

高額な費用を取っておきながら、プロによる校閲やデザインがほとんどなされず、素人が作ったような本が届く。あるいは全く広告宣伝をしてくれないといったトラブルです。

ここで知っておいていただきたいのですが、最近は出版不況という流れもあり、「宣伝の不在」という部分に関しては、一部商業出版会社でも「宣伝してくれない」というケースがあります。

というよりも、企画段階から自社で宣伝する気がほとんどなく、最初から著者のインフルエンサー度に頼ることが前提というところもチラホラ出てきています。要は「フォロワー数」「チャンネル登録数」で判断するということです。

私は何の実績も無かったときから、本当に運よく、さらに良い編集者と出会えたため、こういうのはありませんでした。かんき出版さんとソシムさんに感謝しております。新聞広告まで出してもらえて本当にうれしかったです!

信頼できるかどうかのポイント

向こうからスカウトが来たか?

実績のない著者に、出版社から「全額負担(商業出版)」の勧誘が来ることは、現在の出版不況ではまずあり得ません。

昔はありました。私は偶然にもアプローチしていただけました。

費用の内訳が不透明ではないか?

「何にいくらかかるのか(印刷費、デザイン費、校閲費、流通費など)の明細を要求しましょう。」

このようにネットでは言われていますが、これは自費出版の場合です。

商業出版の場合、こんな明細は出てきません。商業出版は不透明なものですし、そもそも出版会社が全額負担していますから、著者に対して「印刷費用、デザイン費用、校閲費用、流通費用」を伝える必要がありません。

契約書の内容を精査したか?

「増刷時の負担」「在庫の所有権」「解約の条件」などを、弁護士や詳しい人に確認してもらうのが無難です。

これもネットで言われていることですが、自費出版の場合です。

商業出版の場合、すでに著名な著者でないかぎり、契約内容は「出版されてから」知ることになります。何冊か出版している著者ですと、ざっくりと最初に「印税率がこれくらいで、初版が○○部で」などの話があります。

その出版社の「過去の実績」は?

本好きですと、だいたい分かっています。本がそこまで好きではない人だと、、、出版社の名前で過去に出している書籍の属性がイメージできないので判断が難しいと思います。

この部分、本好きでない人は、身近な本好きの人に聞いてみる(もちろん情報をもらうのですからお金を払って)か、少し大きめの書店へ足を運んで、半日かけて書棚をウロウロしてください。

あなたにオファーしてきた出版社の本が、どの棚にも無い出版社だったり、あなたにオファーしたカテゴリーとは違う書棚にしか置かれていないのなら、うまく流通できていない出版社なので「危ないな」とイメージできます。

さいごに

理想は商業出版です。これは間違いありません。

ちょっとしたコミュニティで出版してみたいだけなら、自費出版で100部印刷で十分です。100部完売したら、2回目は50部だけ追加印刷しましょう。これも完売したら、3回目以降は20部ずつ追加印刷でOKです。

間違っても1000部印刷なんてしてはいけません。本が入った段ボールで部屋がいっぱいになります。

商業出版はハードルが高い。自費出版はリスクが大きそう。という方は、今だからこそできる

  • 電子書籍
  • noteの有料コンテンツ

こういう方法もあります。

でも、やっぱりブランド力などを考えると、せっかく執筆に時間と労力を注ぎ込むのですから、商業出版を狙って動いてもらいたいと思います。