仕事柄、経営者の方と直接お話する機会がほとんどです。お話する中で、最近続けて聞かれたのが「本を出すと何か変わりますか」です。
今は慢性的な人手不足の時代ですし、モノやサービスが溢れているので「まわりと同じ」では売れにくい時代です。採用でも売上でも差別化が必要な時代ということです。
こうした時代だからこそ、経営者の方は出版という手間のかかることをしてでも、他とは違うところや、自分がこれまでやってきたことから得られた理念や考え方を「出版」というカタチで知ってもらいたい。このように考えておられるのだと思います。
そこで、ご縁があって5冊の商業出版をさせていただいた私自身の経験から、これから「本を出したい」経営者の方へ、本を出すために知っておいてほしいことを連載したいと思います。
私の「本を出す」話は、自分自身の経験談です。ネットで検索するといっぱい出てくる、
- 最後は自費出版へ持っていく「出版コンサル」「出版プロデューサー」
- 「重版」された経験が一度もない「自称ロングセラー著者」
- 自分で本を買い取って重版させた「自称ベストセラー著者」
こうした方達が語る内容とは違っていると思います。
どちらの話を信じるのかは、このブログをお読みいただいている「あなた次第」です。
本を出すメリット
①信用・ブランド力の強化に役立つ
本を出版しているという事実だけで「専門家」としての信頼性が一気に高まります。特にビジネス書は、「実績+思想」を体系的に伝えられるので、会社や経営者個人のブランドの格が上がります。
一般的には、このように言われています。
「書籍」というツールがうまく機能すれば、
- 初対面でも信頼されやすい
- メディアや講演の依頼が来やすくなる
- 採用時の応募者の質が上がる
こうしたメリットがあります。
特に「コミュニティビジネス」を主体にされているところですと効果抜群です。
②営業・マーケティングの強力な武器になる
本は“最強の営業ツール”になります。特に「コンサルタント」「アドバイザー」など「情報」「知識」「技術」を提供されている会社の営業やマーケティングでは強力な武器になります。
高単価サービスであればあるほど、ビジネス効果が大きくなりやすいです。
③人材採用への好影響
求職者は企業の「理念」や「経営者の考え方」を重視します。特に若手の方は重視する傾向が強いです。
本があると、明確に伝えられますし、他の会社の社長よりも「本を出しているすごい人」という認識になり、興味のある人がやってくることにつながります。
- ミスマッチが減る
- 共感度の高い人材が集まる
- 入社後の教育コストが下がる
こういったことが一般的に言われますが、これは正確な話ではありません。なぜなら、集まったとしても最初に選ぶのは「人事担当」ですから、この部分が解決することにはなりません。
あくまでも「人材採用がしやすくなる」「集まりやすくなる」という部分がメリットです。
④メディア露出・影響力の拡大
本を出すタイミングが良いと、メディアからに取材依頼が来ます。今ならタイミングが合えば、インフルエンサーから依頼が来るかもしれません。いわゆる「バズった」という経験ができる可能性もあります。
他には「セミナー登壇」の依頼という副産物も期待できます。あなたがセミナーをしたいかどうかわかりませんが・・・。私はセミナーをしたくないのでやりませんでした。
タイミング次第ですが、経営者個人の影響力が、会社への影響力へと広がる可能性は秘めています。
⑤長期的な資産になる
本は残ります。物質として残ります。商業出版なら「国会図書館」で今後も残ります。私の本も国会図書館にあります。これ、個人的な話ですが大変うれしいです。本好きならわかってもらえると思います。
他には、
- 出版してから数年経過しても「読んでもらえる」ことがあります
- 海外から翻訳の話が来ることもあります(私は2冊海外で出版されました)
- 業界によっては「次の仕事のきっかけ」になることもあります
注意点は、常にメリットが発生するワケではないこと
本を出すメリットはあります。しかし、注意点もあります。
- 売れないとメリットは出ない
- アンチによって逆効果になるケースもある
- 時間と労力の割には得られることが少ないケースが多々ある
これまで5冊書いてきた経験から言いますと、片手間では書き終わりません。
売れる本にしようとすると、事業と同じくらいの熱量で書くことになります。
さいごに
令和の時代に言われている「タイパ」「コスパ」とは逆行するのが「本を出す」ということです。
ササッと書いた原稿が、スルスルっと編集されて、パパッと製本されて書店に並ぶ。こういうイメージで「本を出しませんか!」と言ってくる出版コンサルさんや出版プロデューサーさんもいらっしゃいますが、多くの場合は「出版詐欺」です。
反対に「本気ですか?」「思っているよりも大変ですよ?」と真剣に問いかけてくる「元出版社の編集者」「重版経験のある執筆者本人」なら信頼できるパートナーだと言えます。
