製造業さんやメーカーさんが困っておられること。それは「モノを作る」技術や経験値を軽視され、「リスクを負ってくれる便利な倉庫」と見られていることではありませんか?

もし、この困りごとが正しかったからといって、これまでのお取引をゼロにする。そんなことを考える必要はありません。考える必要があるのは、自分達で企業や消費者へ直接販売していくことです。

ECサイトなら自分達で売れる

15年前なら製造業やメーカーさんが、企業や消費者へ直接販売するのは難しいことでした。がんばっても、業界固有または趣味性の強い新聞や雑誌へ広告を掲載し、FAXや電話で注文をいただく。そんな方法しかありませんでした。

しかし、今は違います。個人の副業者でも自分でECサイトを持ち、仕入れた商品を販売し利益を得ている人がいます。

ということは、長年の経験と技術をお持ちの製造業やメーカーさんなら、余裕でECサイトを運営し利益を出せるはずなんです。だって、本当に良いものを作り続けておられるのですから。そして、問屋さんや商社さんを通して誰かが今日も使い続けているのですから。

こんな事例があります

私のお客様の中にも、メーカーさんがいらっしゃいます。従来の卸だけでは先行きに良い展望が見えづらいため、2016年くらいにECサイトを始められました。

最初は自己流で進めておられたため、なかなか思うような売上が上がらなかったようです。それこそ月商20万円とか。それ以下の月もあったようです。

そんな状態を3年くらい続けられたとき、ご縁がありヒビノシステムへご相談いただきました。

ご相談いただいた後は、

  • ECサイト全体の見た目の改善
  • 各商品ページの見た目の改善
  • リピーター育成
  • 情報発信の手順整理

などなど、ECサイト運営で必要となることを、社内の人員だけでできる範囲に絞って地味にコツコツと実践。その後1年で年間1,000万円の売上を達成するまでに成長。今も成長を続けています。

毎年1.25~1.5倍ずつ増えている

製造業やメーカーさんのECサイトで重要なこと

小売業ではない製造業やメーカーさんの場合、一般的に言われているECサイト改善の情報を全て鵜呑みにしてはいけません。

確かにブログやYoutubeに出てくる情報の60%くらいの改善内容は使えるのですが、残りの40%は目線を「製造業やメーカー」用に変える必要があります。ただし、目線を変えるポイントは会社さんによってまちまち。

しかし、目線を変えるポイントを見つけることで、ECサイトにおける来期の販売額がある程度予想できるのようになるのです。

例えば、ECサイトから今年1,000万円の売上があったとしましょう。すると来期が始まるときには「おおよそ年間で600万円は売れるだろう」という目算ができるのです(日本での有事や株価暴落とかがあればわかりませんが)。

これ、製造業やメーカーさんの場合、大きなメリットになると思います。

今の流通にプラスアルファの商流を

製造業やメーカーさんが直接販売してはいけない理由はどこにもありません。

  • 慣習でダメかも
  • 同業者でどこもやっていないから
  • 問屋さんや小売業さんからクレームがくるのは困る

いろいろと「やらない理由」はあると思います。しかし、これまでの流通が先細ってしまってから「困ったな」となって手をつけていては「遅すぎる」ことになります。

今の流通が稼げているときに、プラスアルファになる商流を作り上げ育成しておきましょう。

仮に、お得意先様から「ECサイトやってるんだって」「ECサイト見たよ」と言われたら、「時代ですからね~。試しにやってみてるんですよ、なかなか上手くいかないですけどね~」って曖昧に答えておけば良いだけです。

さいごに

ECサイトの成長率は毎年上昇を続けています。これからも止まることは考えにくい状態です。

近い将来、企業間取引でも「ECサイトでメーカーから直接買う」という流れが出来上がると私は思っています(大口の案件でなければ「問屋」「商社」の仕事は減るはず)。だって、これから社会人になって重要なポストになる人たちは、インターネットで買い物をすることに慣れた世代だから。

  • 注文はフェイスtoフェイスでないとダメ
  • FAXじゃないと注文しない
  • 営業がお伺いに来るものだ

こういうの、令和の時代には通用しませんし、これからはもっと通用しなくなります。やれる余力があるときにECでの販売構築をやっておきましょう。経験から言いますが2年後、3年後に「やっていて良かった」と感じられること、間違いありません。