現場での報告業務は、紙やメール(最近だとLINEも)でのやり取りが中心になっているところが多いです。この部分をスマホ1台で完結できれば、時間もコストも大幅に削減可能なんです。
今回は導入経験から、はじめてでも実際に現場で使える3つの方法を解説します。
現場報告の現状と課題
ほとんどの建設業様の現場報告では、次の5つが課題になっていると思います。
1:報告の形式・内容が現場ごとにバラバラ
- 写真の撮り方、記載項目、用語などが統一されていない
- そのために報告書の品質や読みやすさに差が出る
- 共有先(元請、協力会社、監督など)ごとのフォーマットが異なる場合も多く、整理に時間がかかる
2:手書き・紙ベースの作業が多く非効率
- 紙や手書き報告が残っている現場がある
- 手書きする → 写真を印刷 or メールで転送 → 上長へ提出といった作業が負担になっている
- 紙なので紛失リスクや保管コストも発生している(特に紛失が怖い)
3:写真整理・添付作業に時間がかかる
- スマホ・デジカメで大量に撮影した写真を選別・リネーム・並び替え・貼り付けする作業が煩雑
- 煩雑だから面倒になるので考えずにやると時系列が混乱しやすく、結局は報告作成に時間を取られがち
4:報告の遅延・情報共有のタイムラグ
- 多忙な現場では、作業終了後にまとめて記録することが多いため、進捗・異常・変更点がリアルタイムで共有されない(報告が月末近くに一回とかありませんか?)
- 元請・監督の意思決定が遅れる原因にもなっていることが意外に多い
- 現場で作業はしたけれど自社の営業へ話が通じていなくて営業が請求するときにトラブル発生(逆もある)
5:ICTツール導入後の運用定着が難しい
- アプリやクラウドを導入しても、「使い方が難しい」「入力が増えた」と現場が負担を感じやすい
- 年齢層の幅が広い職場では、ITリテラシーの差が顕著で浸透に時間がかかる
これは一度は挑戦したけれど、、、定着しなかったのであきらめた。というケースです。
スマホで完結させる3つの方法とメリット
大前提として、建設現場は環境が厳しい(屋外・埃・振動・雨など)ため、通常のスマートフォンよりも「耐久性」「操作性」に優れた端末を選ぶことが大切です。
その上で、次の3つの使い方が最初はおすすめです。
日報アプリの活用
日報をスマートフォンからアプリを使って報告できれば、こんなメリットが出てきます。
- 作業終了後すぐに報告できる→報告の遅延が減少(事務所へ戻らなくてもOK)
- 写真添付が簡単→内容の理解が早く質が上がる
- プルダウン入力やテンプレート使用で、記入フォーマットの統一ができる(見やすくなる)
- クラウド共有・閲覧可能→元請や協力会社さん、管理部門での情報共有タイムラグが縮まる(アレどこぉ~、がなくなる)
写真・図面のクラウド共有
現場で増え続ける写真や図面。スマホからクラウド共有できれば、こんなメリットが出てきます。
- 手戻りが減る(古い図面で施工してしまうミス防止)
- 説明や共有が早くなる(離れてても同じ図面を見ながら話せる)
- 確認・是正管理がスムーズ
- 写真整理が自動化され、報告作成が早くなる
- 書類探しの時間「ほぼ」ゼロ
- 品質記録がしっかり残り、竣工書作成も楽になる
進捗管理ツール連携
進捗管理を紙からスマートフォンで使える管理ツールへ切り替えると、こんなメリットが出てきます。
- 生産性向上→写真整理時間が減る(最大70%削減と言われることも)
- 日報→進捗→出来高の流れが自動化される(請求漏れ防止、請求可能案件がわかりやすく)
- 図面確認と工程管理が同じ画面で可能
- ミス・手戻りが激減→誰が何をいつやったかデータが残るので「なぜそうなったのか」がわかりやすい
- リアルタイムで現場を可視化→現場所長・本社・発注者が同じ進捗を共有
- 協力会社さんとの情報共有が透明化→作業の証跡が残る、労務管理とも連携しやすい(協力会社さんにとってもメリット)
- 証拠写真・出来高資料がすぐに出せる
導入のポイントと注意点
建設現場の報告業務をスマホ1台で完結させる場合、いくつかの導入ポイントや注意点があります。
- 使いたいアプリが「スマホ(iOS/Android)対応」かどうか
- 写真・動画添付、クラウド保存、報告書出力(PDF/Excel)機能の有無
- テンプレートや帳票がカスタマイズ可能か(現場のフォーマットに合わせられるか)
- オフライン入力対応かどうか(通信が困難な現場では重要)
- 誰がどのタイミングで入力/提出するか(例:作業終了直後、帰社前、毎日17時までとか)
- 写真は「どこの部位を、どの角度で、どのタイミングで撮るか」を明確にする(ガイドラインを決める)
- アプリのアクセス権限・共有範囲を明確化(誰が見るか、編集可否も)
- 権限設定・セキュリティ(端末紛失時・操作ミス対策)
- 使用端末の管理(紛失、破損時の代替、充電、保護ケース設置)
- 導入・運用コスト(ライセンス、月額費用、同時接続ユーザー数など)
- データの保存やバックアップ、報告データの整理ルールを決める
- 教育プランを予め用意(スマホ操作が苦手な職人・スタッフ向けの基礎講習)
スマホ探しは比較的簡単ですが、会社に合ったアプリを探して選ぶのが手間です。また、どういう使い方を想定しているのかによって選ぶアプリも変わってきます。
人手不足で社内スタッフだけでは選ぶのが難しい。探している時間がない場合、ヒビノシステムまで「お問い合わせ」からご相談ください。これまでの導入経験から、御社の状況に合ったアプリ選ぶをお手伝いさせていただきます。
さいごに
いきなり3つとも全部やれれば良いのですが、現実的には難しいと思います。ですからまずはどれか1つやってみてほしいんですね。
というのも、どれか1つやってみると現場の方も楽になりますから、他の部分がやりやすくなります。
めちゃくちゃ簡単にできる方法とかで「やってみる」と、現場から「ここもできないの?」と希望が出てきますので、そうなれば導入を上手く進めることができます。
