デジタル化やIT化、DX化を進めるとき、必ず出会うのにあまり取り上げられない「反対意見」についてお話しようと思います。
- アナログをデジタルに変えよう
- ITツールで効率化しよう
- DXで業務を変革しよう
このように考えて、それぞれを社内で進めようとされている人がいらっしゃいます。大変意味のあることだと私は思います。
しかし残念なことに、ほとんどの会社ではこうしたことに対して「反対意見」が出てきます。どうして「良いコト」なのに反対意見が出てくるのでしょうか。今回は、私の経験から反対意見の本当の理由をお伝えします。
反対意見は誰が言い出すのか
会社によって変わってきます。これまでの経験では、
- 経営層が猛反対(会社が良くなるのに意味わからん)
- マネージャー職が反対(新しいことが好きじゃないの?)
- 現場スタッフが静かに反対(雇われている側の視点で見るとわかる)
こういうケースに遭遇したことがあります。
面白いですよね?会社にとって良いコトなのに、誰かが(またはどこかのポジションが)「やめようよ」と反対するのです。
「静かな反対」は要注意
静かな反対は要注意です。というのも、表向きは「何となくOK」というサインを出しているのですが、実際に動き出すと
- 指示通りやらない(自分ルール導入)
- 理由をつけて使わない(後回し作戦実行)
- 放っておいて自然消滅するのを待つ(時間を味方にする計画)
こんな流れになりやすいのです。ただ、経験から「静かな反対」を見抜く方法というものがあります。それは、次の単語が会話の中で何度も出てくるかどうか。
静かな反対の口癖3つ
- でも
- それは
- だけど
この口癖を出してくる人は、何を言っても全部「できない理由」「やりたくない理由」を必死で考えて作り出します。ある意味これは大変な「クリエイティブ」思考です。
では、どうしてこの口癖の人はやりたくないのかというと、次のような理由が考えられます。
- 単に機嫌が悪いタイミングだった(気分の問題)
- 提案している人にアレコレ言われたくない(人の問題)
- 自分の仕事の領域を気軽にアレコレ言われたくない(職種の問題)
- 提案を受け入れて行動しても自分にメリットがない(雇われている側の本音)
「1」の場合は、話をするタイミングを変えれば通じる可能性があります。ただ「気分屋さん」だということは変わりませんので、何か月か経過してから「知りませんよ!」と言われる可能性があります。
「2」「3」の場合は、話をする人を変えれば何とかなります。できれば反対している人が、心から信頼している人に話してもらうことで簡単に解決します。
で、残った「4」ですが、4つの中では意外に解決するのが難しいです。
静かな反対の本当の理由
先ほどの4番目「提案を受け入れて行動しても自分にメリットがない」は、静かな反対の本当の理由だと私は経験から感じています。
というのも多くの場合、デジタル化やIT化、DX化というのは、静かな反対の人「個人」にとっては「どうでも良いコト」なんです。
現実としてはこんな感じです。
- デジタル化しても、自分の仕事は楽にならないかもしれないし、そもそもやっても手取りは増えない
- IT化しても、自分の仕事が減ると残業代が減るかもしれないし、そもそもやっても手取りは増えない
- DX化しても、自分の仕事内容は何も変わらないかもしれないし、そもそもやっても手取りは増えない
ここで見えてくることを考えると「4」のケースを何とかしたいなら「メリット」をシンプルに明確に打ち出すことで解決できるはずなんです。例えば、
- 〇〇をやれば収入が〇〇万円増える
- 〇〇を使って仕事が素早く終われば定時よりも早く帰社していい
- 〇〇を使って仕事が進むならオンラインで在宅勤務も可
こういうことを打ち出せれば解決できる可能性が高くなります。
間違った認識の反対もある
- 自分たちが使えなかったらバカに見えるから断固反対
- 使うことで自分たちのやってきたことが素早く正確にできるようになるとバカに見えるから断固反対
これはデジタル化・IT化・DX化について間違った認識をされている結果です。だれもバカに見ることはありません。これまでとこれからは違いますし、そもそも「これまで」のことがあるからこそ、デジタル化・IT化・DX化ができるのです。
この間違った認識からくる反対は、経営層やマネージャー職から発生する反対に多いケースです。
もし発生しているようであれば、「あなたたちの経験と苦労があったからこそ、もっと良くなるように変化させることができる」と伝えてください。
解決できない反対はコレです
「全体賛成、個別反対」の人が多く混ざっていると、デジタル化・IT化・DX化は思うように進みません。
で、「全体賛成、個別反対」とは、どういう状態なのかというと、、、
「デジタル化やIT化やDX化を会社全体で取り入れていくことは賛成だ!」
という、強く勢いのある意見を皆の前で発言しつつ、いざ、デジタル化・IT化・DX化の話が具体的になると、、、
- 私の部署では(協力)できない
- 私の部署には不向きだからできない
- 私の部署の考え方に合わないからできない
- 私の部署がやらないといけない理解がわからないからできない
- 私の部署とは違う別の部署でやればいいだけじゃないのか
このような理由で「やらない」を貫き通す状態。
『会社全体としては猛烈に賛成だが、自分がやること(変化すること)には断固反対です』
こういうスタンス。
これはもう、どう頑張っても解決できません。「全体賛成、個別反対」の人が会社から去って頂かないと解決は難しいです。
会社員時代、こういう人が多数在籍されていた企業さんへシステム導入しましたが(営業がどうしても取りたかった案件だったようです)、システムと手書き作業が最後まで混在して、手間ばかり増えていた記憶があります(完全なデジタル化・IT化失敗例です)。
さいごに
会社という組織では、価値観の違う人が(別の民族、別の星の人かと思うくらい違う)集まっていますので、「みんな一斉に手を取り合ってやりましょう!」というのは「ほとんど無理」です。
そのため、デジタル化・IT化・DX化を進める場合には、どういったパターンの「反対の人」が在籍しているのかを普段から調査(朝礼や会議がおすすめ)して知っておくことが重要になってきます。
パターンを知ることができれば、「反対している本当の理由」も自ずとわかってきますので、前へ進めるための解決方法を見つけることができます。
だた「全体賛成、個別反対」の人が多く在籍されている場合は、かなり難しくなってきますので、そういう場合は「全体賛成、個別反対」の人が少ない部署から、デジタル化・IT化・DX化を進めていくことが成功への一歩となります。