情報が溢れかえっている時代ですから、次のような言葉をお聞きになることが増えたと思います。

  • DX化で経営改革、業務改革をしよう
  • IT化は必須だ
  • デジタル化して時代に遅れるな

商工会や地元金融機関で催される「デジタル活用セミナー」「クラウド活用セミナー」とかでも耳にすることがあると思います。

そこでこの3つの言葉はどういった意味で語られているのか、簡単に説明していきます。これら3つの言葉が指し示している意味を取り違えていると、いくら良い話を聞いたとしても正しく進めることが難しくなります。

デジタル化

「今、アナログでやっていることをデジタル技術を使ってやりましょう」ということです。

例えば、こんなことが思いつきます。

  • 裏紙をメモ代わりにして、電話を取り次いだときの内容をペンで書いて担当者の机に置いておく
  • 業務の進み具合を上司へ口頭で伝える
  • 会議の資料を印刷して、出席者数分コピーしてホッチキス留めして配る

こういったアナログなこと(私は嫌いではありません、良い部分もありますから)を、次のようなデジタル技術を使うことで「デジタル化」になります。

  • 電話で取り次いだ内容をメールやチャットツールに入力して、担当者宛てに送信する(自席だけで取次処理完了!)
  • 業務の進み具合をメールやチャットツールに入力して上司に送信する(言った聞いてないがなくなってストレス減少!)
  • 会議の資料をPDFへ出力してノートパソコンやタブレットで見ながら会議をする(紙とコピーカウント料の削減と資料作りの手間も削減!)

そんなに難しいことではありません。できることからスタートしましょう。

IT化

「業務の流れ(業務プロセス)をデジタル技術を使って効率化しましょう」ということです。

間違えやすいのが、単に「ITツールを導入 → IT化だ!」という視点です。

これはツールを買って会社に置いただけなので効率化していません。IT化の本質は、ツールの購入や導入だけではなく、業務やビジネスモデルに適したツールを選んで導入することで “業務を効率化する” ことです。

DX化

「会社全体(企業運営)をデジタル技術活用で変革しよう」ということです。

かなり壮大なイメージがあります。人によっては「つかみどころがない」という印象を持たれることもあるはず。というのも、DX化は次の順序で進めた結果として存在するからです。

①デジタル化 → ②IT化 → ③DX化

もし、自社のデジタル化やIT化が思うように進んでいないと感じておられる経営者の方が「DX化が必要ですよ!」という良い話を聞いたとしてもピンとこないのは、今はまだDX化へ向けて進んでいる途中だからだと思います。

さいごに

まずはデジタル化を検討して進めましょう。その次にIT化。この2つを3年くらい継続していくと、自ずと自社に合ったDX化の姿が見えてきます。

一足飛びにDX化できれば言うことはありませんが、急な変化に耐えられる人間は少ないものです。デジタル化で慣れる。IT化で便利さを感じる。その先にDX化があります。